影響

これまで生じている気候変動影響

全国

  • 夏季に、肉用牛と豚の成育や肉質の低下、採卵鶏の産卵率や卵重の低下、肉用鶏の成育の低下、乳用牛の乳量・乳成分の低下等が報告されている。
  • 記録的猛暑であった 2010 年の暑熱による家畜の死亡・廃用頭羽数被害は、畜種の種類・地域を問わず前年より多かったことが報告されている。
  • 乳用牛では温湿度指数の上昇に伴う泌乳量の低下、気温上昇による繁殖成績や子牛の成長量の低下の研究事例がある。また、肉用豚では気温上昇による消化吸収能の低下や分娩率の低下、採卵鶏では気温上昇による飼料摂取量の減少等に伴う産卵数の減少や卵質の低下などを示す研究事例がある。
  • 国内では見られなかった熱帯・亜熱帯地域に分布する牛のアルボウイルス類(節足動物媒介性ウイルス)の流行や、南西諸島のみ定着すると考えられていたアルボウイルス媒介種であるオーストラリアヌカカの分布が九州地方で確認されている。
  • アルボウイルス類の一種であるアカバネウイルスが東北地方に直接侵入し、北海道までウイルス感染による牛の異常産の発生が広まった事例も報告されている。

秋田県

  • 夏季に、比内地鶏の成育低下、乳用牛の乳量・乳成分の低下等が散見されている。

将来生じる可能がある気候変動影響

全国

  • 影響の程度は、畜種や飼養形態により異なると考えられるが、温暖化とともに、乳用牛、肥育去勢豚、肉用鶏の成長への影響が大きくなることが予測されており、成長の低下する地域が拡大し、低下の程度も大きくなると予測されている。
  • 乳用牛では、高温だけでなく高湿度になると生産性への負の影響がさらに大きくなることが示唆されている。

秋田県

  • 気温の上昇は、肉用牛、比内地鶏の飼料摂取量や消化吸収能を低下させ、成育の悪化、肉質の低下をもたらす。
  • 気温の上昇は、乳用牛の飼料摂取量の低下、体温上昇に伴う代謝量の増大等を通じて、成育の悪化、乳量・乳成分の低下をもたらす。
  • 気温の上昇は、家畜(牛)の繁殖機能を低下させる。