影響
これまで生じている気候変動影響
全国
- シイタケほだ場での分離頻度が高いシイタケ病原体のトリコデルマ・ハルチアナムによる被害は、高い温度環境で大きくなることが確認されつつある。
- ヒポクレア属菌が九州地域のシイタケ原木栽培の生産地で被害を与えるようになってきたことが報告されている。これまで被害報告のなかった千葉県、茨城県、静岡県、愛知県などからも被害が報告されていることから、被害地域は拡大していると考えられる。
- 夏場の高温がヒポクレア菌による被害を助長する要因となっている可能性があるとの報告がある。
将来生じる可能がある気候変動影響
全国
- シイタケの原木栽培において、夏場の気温上昇と病害菌の発生あるいはシイタケの子実体(きのこ)の発生量の減少との関係を指摘する報告がある。
- 冬場の気温の上昇がシイタケ原木栽培へ及ぼす影響については、現時点で明らかになっていない。
- 原木栽培のシイタケの害虫であるナカモンナミキコバエの出現時期の早まりや、ムラサキアツバの発生回数の増加を予測する研究事例がある。
東北
- 北関東以南で1年に3~4回発生しているムラサキアツバについて、飼育実験結果と気候シナリオデータを用いて年間発生回数を予測した研究によると、2000年代後半には山形・宮城県以南でも1年に4回発生する。