影響

将来生じる可能がある気候変動影響

全国

  • モウソウチクとマダケについて、気候変動に伴う分布適域の高緯度・高標高への拡大が予測されており、4℃の昇温を仮定した場合、分布北限が現在より約 500km 北上する可能性がある。
  • 一部の研究で、自然草原の植生帯は、暖温帯域以南では気候変動の影響は小さいと予測されている。標高が低い山間部や日本西南部での、アカシデ、イヌシデなどの里山を構成する二次林種の分布適域は、縮小する可能性がある。
  • ただし、里地・里山生態系は人為影響下で形成されていることから、気候変動の影響については十分な検証はされておらず、今後の研究が望まれる。

東北

  • 同様にマダケ類を対象として、RCP シナリオ下における分布確率を推定した研究においても、分布確率の高い地域がより高緯度、高標高地域に広がることが予測されている。東北地方や本州中部の山岳域では、現在の気候条件下では分布確率が 0.4 を超える地域は広くないが、RCP2.6 を仮定した 21 世紀末では、低標高域を中心に分布確率が 0.4 を超える地域が広がることが予測されている。