影響

これまで生じている気候変動影響

全国

  • 一部の地域で、気温上昇と降水の時空間分布の変化による水ストレスの増大により、スギ林が衰退しているという報告がある。

秋田県

  • 気候変動の影響による局所的豪雨の発生頻度が高まっているものと考えられ、山腹崩壊等の災害発生が懸念される。

将来生じる可能がある気候変動影響

全国

  • 現在より 3℃気温が上昇すると、年間の蒸散量 が増加し、特に年降水量が少ない地域で、スギ人工林の脆弱性が増加することが予測されているが、生育が不適となる面積の割合は小さい。
  • 2050 年までの影響を予測した場合、日本全体で見ると、森林呼吸量が多い九州や四国で人工林率が高いこと、高蓄積で呼吸量の多い 40 から 50 年生の林分が多いことから、炭素蓄積量及び吸収量に対してマイナスに作用する結果となる。ただし、当該予測では、大気中の CO2濃度の上昇による影響は考慮されていない。スギ人工林生態系に与える影響予測のためには樹木の生理的応答などさらなる研究が必要である。九州のスギ人工林を対象にプロセスモデルを用いて一次生産量を予測した研究からは、生育適域かどうかによる違いは見られるものの、現状で生産量が多い地域では温暖化による一次生産の上昇は見込めないと予測されている。

秋田県

  • 台風等による豪雨や強風による風害等の発生が懸念される。また、海温の上昇に伴う豪雪により、雪害等の発生が懸念される。

気候変動適応対策

現在の影響に対する既存施策の実施状況

  • 森林整備等を適切に実施している。
  • 高温登熟耐性品種の育成。

将来の影響に対する対応方針

  • 適切な森林整備を進めるとともに、再造林の推進による未立木地の解消及び二酸化炭素吸収源の確保等を進める。