影響

これまで生じている気候変動影響

全国

  • 日本全国でニホンジカやイノシシの分布を経年比較した調査において、分布が拡大していることが確認されている。
  • 積雪深の低下に伴い、越冬地が高標高に拡大したことが観測により確認されている。また、ニホンジカの生息適地が 1978 年から 2003 年の 25 年間で約 1.7 倍に増加し、既に国土の47.9%に及ぶという推定結果が得られており、この増加要因としては土地利用変化よりも積雪量の減少が大きく影響している可能性が指摘されている。
  • ニホンジカの増加は狩猟による捕獲圧低下、土地利用の変化、積雪深の減少など、複合的な要因が指摘されている。ニホンジカの分布拡大に伴う植生への食害
  • 剥皮被害、ヤマビルの分布拡大等の影響が報告されている。

東北

  • 岩手県における報告によれば、これまで県内では確認されていなかったニホンヤマビルが県北部まで拡大していることが明らかになっており、その原因としてニホンジカの分布拡大及び気温上昇に伴うニホンヤマビルの活動可能期間の長期化の可能性が指摘されている。

秋田県

  • ニホンジカ、イノシシの分布域が拡大している。

将来生じる可能がある気候変動影響

全国

  • ニホンジカについては、気候変動による積雪量の減少と耕作放棄地の増加により、2103年におけるニホンジカの生息適地は、国土の9割以上に増加するとの予測がある。
  • 一方、イノシシ等ニホンジカ以外の種については、気候変動による分布域の変化等の将来影響については知見が確認されていない。

秋田県

  • 積雪の減少により、イノシシおよびニホンジカが越冬しやすくなる、分布を拡大させやすくなる、といった影響が予想される。

気候変動適応対策

現在の影響に対する既存施策の実施状況

  • 生息調査の実施や指定管理鳥獣捕獲事業、狩猟期間の拡大による捕獲圧の強化。

将来の影響に対する対応方針