影響
これまで生じている気候変動影響
全国
- 冬季の気温の上昇に伴い冬季死亡率が低下しているという具体的な研究事例は現時点では確認できていない。
- 一方、低温による死亡者数・死亡率については、1990 年代以降国内で増加傾向にあり、特に高齢者で増え、若年~中年者で減少傾向にある。
- 近年、暑熱に対する相対危険度は低下している一方、低温に対する相対危険度は増加傾向にあり、極端な低温環境下では、全疾患や循環器病(脳卒中や院外心停止、心筋梗塞)、呼吸器系疾患のリスクが増加する可能性が報告されている。
秋田県
- 12月から2月における冬期間の心疾患・脳血管疾患などの循環器を原因とする死亡率は、年平均に比べやや高い。
将来生じる可能がある気候変動影響
全国
- 国内の冬季の平均気温は、RCP4.5シナリオの場合、2030年代に、全国的に2000年代よりも上昇し、全死亡(非事故)に占める低温関連死亡の割合が減少することが予測されている。一方、影響を最も大きく受ける高齢者人口が増加するため、低温関連死亡数自体は増加することが予測されている。
- 全球を対象とした予測でも、RCP8.5 シナリオにおいて、日本を含む東アジアで、気温の上昇に伴い、低温関連死亡が 2010 年代に比して減少することが予測されている。
東北
- 冠水が水稲品種「あきたこまち」の収量および玄米品質に及ぼす影響
秋田県
- 国内の冬季の平均気温が上昇しても、本県の冬季の気温と自宅内の寒暖差が解消されない限り、発症リスクは減少しないものと考えられる。
気候変動適応対策
現在の影響に対する既存施策の実施状況
- 国内の冬季の平均気温が上昇しても、本県の冬季の気温と自宅内の寒暖差が解消されない限り、発症リスクは減少しないものと考えられる。
将来の影響に対する対応方針
- 自宅内での寒暖差の大きい場所の行き来や、風呂場等において発症リスクが高まることについて、Webなどの媒体により周知啓発を行っている。