影響
これまで生じている気候変動影響
全国
- 年によってばらつきはあるものの、熱中症による救急搬送人員、医療機関受診者数・熱中症死亡者数の全国的な増加傾向が確認されている。
- 年齢階級別では、高齢者の熱中症による救急搬送人員・熱中症死亡者が多く、住宅内で多く発症し、重症化しやすい傾向にあることが報告されている。また、若・中年層では、屋外での労働時・スポーツ時に発症することが多いことが報告されている。
- 高温による労働効率への影響については、国内の報告は限られている。
将来生じる可能がある気候変動影響
全国
- 気温上昇に伴い、日本各地でWBGTが上昇する可能性が高い。
- これに伴い、2090年代には、東京・大阪で日中に屋外労働可能な時間が現在よりも30~40%短縮すること、屋外労働に対して安全ではない日数が増加することが予測されている。また、屋外での激しい運動に厳重警戒が必要となる日数が増加することが予測されている。
- 熱中症発生率の増加率は、2031~2050年、2081~2100年のいずれの予測も北海道、東北、関東で大きく、四国、九州・沖縄で小さいことが予測されている。RCP 4.5シナリオを用いた予測では、東京都23区と仙台市では2050年代に、2000年代と比較して熱中症リスクが2.4倍増加するとされている。
- 年齢別にみると、熱中症発生率の増加率は65歳以上の高齢者で最も大きく、将来の人口高齢化を加味すれば、その影響はより深刻と考えられる。