2024年02月07日 活動報告

 令和6年1月27日(土曜日)に環境省東北地方環境事務所と共催で、東北気候変動適応フォーラムを開催しました。
 「雪」をテーマに観光、災害、エネルギーの各分野の活用方法や対応策についてお話いただきました。

テーマ 「雪」は資源か厄介者か

対談 「気候変動における広域アクションプラン(雪分科会)」について

講師 東北大学 教授 風間 聡 氏 ・ 秋田県立大学 教授 増本 隆夫 氏

 東北広域協議会において策定した「気候変動適応における広域アクションプラン(雪分科会)」について、アドバイザーの東北大学の風間教授と秋田県立大学の増本教授が対談されました。
 このアクションプランのモデルケースの一つとして県内の河川である「子吉川水系」が取り上げられおり、気候変動による雪不足によって起こる春先の水不足による農業への影響や適応策などについてご紹介いただきました。

 講師 風間教授  

           〈東北大学 風間 聡 教授〉               〈秋田県立大学 増本 隆夫 教授〉

講演(観光資源)「にしかわGASSANの冬」

講師 山形県西川町長 菅野 大志 氏 ・ リスナー 秋田県立秋田中央高等学校の皆さん

 山形県西川町の菅野町長からは、雪を観光資源とした取り組みが紹介されました。
 冬のイベントで巨大かまくらの中で飲食できる「アイスバー」を設置したり、雪を活用した「雪上サウナ」を行うなど、地域の特性を活かした取り組みにより観光客や関係人口の増加を図っているとのことです。

 講演後、秋田中央高等学校の皆さんからは「気候変動の影響を実感すること」や「雪を観光資源にしたのはどういった着眼点からか」などの質問がありました。
 これに対し「今年は例年に比べ雪がとても少ないので、これも気候変動の影響なのかと感じている」や「観光のターゲットを若者に設定したときに、どういった強み・弱みがあるか分析し、冬の観光が弱いといったことから何かできないかということを考えた。」などの回答がありました。

 

        〈山形県西川町 菅野 大志 町長〉               〈秋田県立中央高等学校の皆さん〉

講演(災害)「雪の量と質の変化と災害発生の関連」

講師 雪氷防災研究センター長 中村 一樹 氏 ・ リスナー 秋田大学 西入 愛菜 さん

 雪氷防災研究センターの中村センター長からは、気温の上昇による集中豪雪など雪の降り方の変化や湿った重い雪が多くなるなど雪質の変化によって引き起こされる災害(倒木、停電、交通障害)などについてお話いただきました。
 また、屋根の雪おろしの判断材料になる情報を発信している「雪おろシグナル」についても紹介されました。

 講演後、秋田大学の西入さんから「雪氷災害が頻発しているとのことだったが、学生や一般の方が災害に対応するためにできることはどんなことか」という質問があり、中村センター長からは「まず雪に触れてみるということが大事、これはスキーや除雪支援などでもよい。そういった実感をもって体験することが適応の第一歩になる。」と回答されました。

 

     〈雪氷防災研究センター 中村センター長〉               〈秋田大学 西入さん〉

講演(エネルギー)「積雪発電の現在と展望」

講師 電気通信大学 准教授 榎木 光治 氏 ・ リスナー 東北大学大学院 川田 悠介 さん

 電気通信大学の榎木准教授からは、積雪を活用して発電し、発電時に発生した熱を融雪にも利用するという研究内容をご紹介いただきました。
 講演後、東北大学大学院の川田さんからは、榎木准教授が紹介された研究内容について、発電の仕組みや今後の活用方法などについて質問されました。
 

      〈電気通信大学 榎木准教授〉                  〈東北大学大学院 川田さん〉