2024年07月16日 活動報告

7月9日(火曜日)に「熱中症対策セミナー」をさきがけホール(秋田市)で開催しました。
当日は、企業・団体や個人などたくさんの方々にご参加いただきました。

講演「気候変動と熱中症対策について」

講師 気象キャスター 向笠 康二郎 氏(NHK「ニュース7」出演)

 はじめに、日頃のニュース番組での天気情報のように「2100年未来の天気予報」を紹介してくださいました。
 この天気予報は、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」という国際組織が公表している地球温暖化に関する研究成果を基にしたもので、2100年の天気予報では秋田市の最高気温が43℃になる予報でした。
 温暖化が進んだ未来での天気予報の内容でしたが、昨年のデータもご紹介くださり、
秋田市では猛暑日が過去最多だったり、最高気温の記録が更新されたりと暑い日が増えており、気候変動の影響を実感するデータでした。
 そのほか、気象台が気温を観測している環境と街中のアスファルト等の環境での温度差や、熱中症予防の参考となる「暑さ指数」は、湿度が大きく影響することなどの説明がありました。
 地球温暖化が進むと非常に強い雨や強い台風などの気象災害が増えることが予測されることから、避難する際に適した物や必要な物や、自分の避難の「タイムライン」を作成することなど、日頃から準備が大切とのお話がありました。

セミナーの様子向笠氏
          〈セミナーの様子1〉                     〈向笠 康二郎キャスター〉

講話「熱中症にならないために」

講師 秋田県医師会 副会長 吉原 秀一 氏

 まず、「熱中症」とはどういった症状があるのか、熱中症のレベル(病態)の説明がありました。
 次に熱中症の予防として、「温度」、「湿度」、「輻射熱」それぞれについての対策をご紹介いただきました。
 熱中症予防のひとつとして、暑熱順化(暑さになれる)も必要で、そのためには、適度な運動をすることが必要とのことです。また、大量に汗をかくと体内の塩分が減るので、水分補給の際には水分とともに塩分を補給することが大事とのことです。目安としてはスポーツドリンクや経口補水液を30分ごとにコップ1杯(200ml)程度とのことです。

 熱中症の症状は様々で、脱水、吐き気、めまいだけでなく、倦怠感やイライラなどの症状もあるそうです。いつもと違うと感じたら、熱中症を疑ってみることも必要とのことです。
 また、熱中症になってしまった場合は、まずは足の付け根や脇、首を重点的に冷やすほか、意識に異常がある場合は迷わず救急車を呼んでほしいとのことでした。
 その他の注意としては、「決して過信しない」「これまでの経験を信用しない」「子どもや高齢者を見たら注意を払う」などのお話がありました。

講師 吉原氏吉原氏
         〈吉原 秀一副会長〉                      〈セミナーの様子2〉


 参加者からは、「『暑さ指数』は何で知ることができるか」や「熱中症の受診のタイミングは」など、たくさんの質問がありました。
 
 環境省が発表する「熱中症警戒アラート」の情報にも注意し、また、エアコンの適切な使用などにより熱中症予防をしてください。

 (参考)