株式会社ナイス 販売部部長 奥山浩樹さん

サムネイル:【環境保全活動の取り組み】株式会社ナイス(YouTubeへ移動します)

日々の暮らしで、どうしても避けることのできない家庭ゴミ。中でも、食品の廃棄「食品ロス」に係る問題は、近年、社会問題としても大きく取りざたされています。私たちが毎日のように利用する県内食品小売各社も、現在、これらの問題の解決へ向けて積極的に取り組んでいます。秋田市と由利本荘市に11店舗を展開する株式会社ナイス(本社・秋田市)の販売部部長の奥山浩樹さんに話を聞きました。

担当業務を教えてください

写真:ナイス店舗外観

お客さまが買い物しやすい売り場になっているのかどうか、各店を回りながらチェックする仕事をしています。

食品ロスを減らす取り組みにも力を入れているそうですね

写真:4分の1にカットされたキャベツ

大家族のお客さまや単身のお客さまなど、家庭によって必要な商品の量は異なりますので、内容量の多い商品ばかりだと、食品ロスの削減にはなかなかつながりません。そこで、当社では、キャベツなどを半分や4分の1にカットにしたり、容量の多いミニトマトのパックを小分けにしたりして提供しています。特に精肉などは、料理によって使う量も変わってきますので、大・中・小3種類のパックを用意しています。合わせて、用途や人数などによって必要な量の目安を売り場に掲示し、お客さまに提案しています。

写真:賞味期限の近い牛乳が棚の手前に置かれている。

また、賞味期限のある商品は、期限の近い商品を手に取っていただけるよう棚の手前に置くなどして、お客さまに協力いただきやすいように工夫しています。

ウナギや恵方巻きなど季節商品についての工夫はありますか?

図:ナイスアプリの説明。クーポンが利用できたり最新情報が見れる他、季節商品などの季節商品をスマホで予約して店舗で受け取りができる。

近年、恵方巻きなどを作り過ぎることによる食品ロスが問題になっていますね。当社では、季節商品などの予約を承るアプリを用意するなどして、食品ロスが出ないよう努めています。どうしても残ってしまう場合は、その日のうちに買っていただけるよう、値引きするなどで対応しています。

販売数の予測についてはどのようにされていますか?

写真:商品の在庫

店舗の販売実績は、即日、本部のパソコンに反映されるPOSデータを活用しています。このデータを元に仕入れ量を調整することで、余分な在庫を持つことのないよう注意することができます。POSデータは、本部・各店共にリアルタイムで確認できますので、数値を参考にしながら発注数などを決めています。これにより、各店で廃棄される量は導入前に比べて格段に減らすことができました。

また、季節によって売れる商品も変わってきます。暑い日は飲料が売れやすいですし、冬にかけて寒くなってくるとうどんなどが売れやすかったりしますので、天気予報は毎日確認するようにしています。これらを基にする販売数の予測は、これまでに積み重ねた実績のため大きく外れることはないですね。

プロセスセンターはどのような役割を果たしていますか?

写真:プロセスセンターで精肉をパックしている様子

当社が運営するプロセスセンターは、これまでは店舗ごとに行っていた生鮮食品の加工作業を集約して行う施設です。魚を切り身にしたり、精肉をスライサーにかけたりして、少量パックにする作業などを行っています。そのため、各店ごとに加工することで出てしまう端材などを減らすことにもつながっています。

各店ごとに加工するのはどのような場合ですか?

写真:刺身に加工されたまぐろ

当日に仕入れた鮮魚などですね。鮮魚は、そのままの状態では買っていただきにくいこともあり、刺身に加工できるものは早いうちに加工します。お客さまの声もあり、買い物してすぐに食べられる状態で提供できるようにしています。家庭で調理すると、そこでも廃棄物が発生してしまいますからね。

御社は秋田県のSDGsパートナーに認定されていますね

写真:回収ボックス

当社は、食品ロスだけではなく、環境マネジメントやネットスーパーを活用した働きやすい環境づくりなどにも取り組んでいるところです。また、資源の再利用につなげられるよう発泡トレーを店頭で回収しています。2年ほど前にレジ袋を有料化してからは、マイバスケットやマイバッグを利用するお客さまも増えるなど、当社の取り組みに賛同いただけているものと感じています。このように、お客様の協力をいただきながら、SDGsに取り組んでいます。

来店客へメッセージをお願いします

写真:奥山浩樹さん

日々の買い物を楽しんでいただくことを通じて「気が付いたら、食品ロス削減や環境保全、SDGsの活動につながっていた」とお客さまに感じていただけるような店づくりを心掛けていきたいと思っています。