伊藤建設工業株式会社 中村清昭さん
秋田市から県内陸部を抜けて山形県と結ぶ幹線道路「国道13号」。沿線の緑地帯に植栽された花々が、現在、同沿線の利用者を楽しませています。雄勝・平鹿・仙北の同沿線3地区で、24年にわたり、花の植栽と管理に取り組む「マイ・フラワーロード推進会」事務局の中村清昭さんに話をうかがいました。
「マイ・フラワーロード推進会」について教えてください。
秋田県南の雄勝・平鹿・仙北を縦断する国道13号線の緑地帯には、手入れされずに雑草が生い茂っている箇所がありました。そこに花々を植えて美化を図ることで、ドライバーの皆さんに気持ちよく国道を利用してもらいたいと植栽と管理に当たっています。2000(平成12)年から、沿線の維持・工事を行う会社で取り組んでいます。
具体的な活動を教えてください
6月に植栽して、花が咲いている11月までの期間は、水やりや雑草の除去などの管理をしています。植栽は、参加各社の社員2~3人ずつ、計15人ほどでボランティア作業として取り組んでいます。花の維持管理は弊社社員が行っています。
どのような点にやりがいを感じていますか?
この活動は、県内のみならず、県外のドライバーの皆さんにも秋田県の環境の素晴らしさをPRすることができます。地域の皆さんや国道の利用者から感謝の声を掛けてもらうこともあり、社員からは「やって良かった」との声を聞きます。日々、成長する花の様子を見ていると、やはり、やりがいを感じます。
苦労もあるのでは?
そうですね、日々の維持管理に当たる人手の不足や高齢化の問題があります。設立当初は、3地区の10社、合わせて30社で立ち上げた推進会ですが、現在は、各地区6社の計18社まで減ってしまいました。ボランティア活動のため、掛かる費用は各社が負担することから大変なこともあります。それでも、私たちがお世話になっている道路ですから、環境が快適になるよう美化したいとの思いで続けています。地域の皆さんにも協力いただければうれしいですね。
御社は、さまざまな地域活動に取り組んでいるとか
県が取り組む「あきたクリーンパートナー」の一環として、会社周辺エリアの除草などの活動を2カ月に1回、全社員で行っています。「横手市民サポーター」にも参加して市内のクリーンアップも行っています。当社は横手市役所前の広場の担当で、毎年8月16日に行われる「横手の送り盆まつり」会場のゴミ拾いや街中の落ち葉の清掃など、年3回ほど活動しています。
秋田県SDGsパートナー企業でもありますね
当社では、SDGsパートナーやあきたゼロカーボンアクション宣言事業者にも登録しており、社内のエアコン温度の調整などの節電、現場などでのアイドリングストップ、マイバッグやマイボトルを使うことなど、地球の温暖化を防止につなげられることに取り組んでいます。温暖化のような地球規模の問題で、当社だけで大きいことができるわけではありませんが、「小さいことでいいからやっていこう」と社員に伝えています。そして、「一緒にやりましょう」という気持ちが大切なのだと思います。いかに社会に貢献できるのかは、企業や社会人としての責務のはずですから。
推進会のこれからについて教えてください
当推進会が活動を始めて、今年で24年目になります。その間、国土交通省が定める8月の「道路ふれあい月間」の一環として表彰をいただいたり、秋田県の環境大賞にも選んでいただいたりしました。環境大臣からも表彰されました。まずは30年を目指して頑張ろうと考えています。
県民の皆さんへメッセージがあれば
秋田県は豊かな自然環境が魅力の一つ。秋田ならではの春夏秋冬の景観で四季がはっきり分かりますし、空気もおいしい。この大切な環境を守ることができるのは、私たち県民一人一人です。秋田は、多くの団体や企業が環境への取り組みを行っている素晴らしい地域です。これからも地域の皆さんと交流を深め、パワーを借りながら、力を合わせて環境の美化や地域の活性に寄与したいです。そして、国道13号を走るときは、植栽した花々で目の保養していただきたいと思います。そして、気持ち穏やかに安全運転をお願いしたいですね。