三又建設株式会社 代表取締役 下タ村正樹さん

1948年(昭和23年)に「里山に電気の明かりを灯したい」という地域の熱い思いを受けて、三又製材所として創業し、横手市を拠点に、地域の豊かな自然と共生しながら事業を拡大し、現在では建設、製材、森林、環境事業を統合した企業として地域社会に貢献しています。
秋田の豊かな森林資源を最大限に活用し、地域内で循環させる事業モデルが、他の地域でも応用可能なサステナブルな取り組みとして注目を集める「三又建設株式会社」代表取締役の下タ村正樹さんにお話を伺いました。
事業内容について教えてください



御社では、自然素材でできた環境にやさしい「杉皮防草マット」を開発・販売していますが、防草マットはどのようなものでしょうか
敷設後 敷設前

この杉皮防草マットは、製材工場で発生する杉の皮を原材料とした環境に優しい防草資材です。原材料のすべてが天然素材(杉皮、麻シート、分解性糸)でできており、使用後は土に還るため、ビニール製やゴム製の防草シートとは違い使用後に廃棄物が出ず、廃棄費用もかかりません。
また、杉皮に含まれる植物の成長を阻害する成分と光を99%以上遮断する効果で、雑草の発生を抑制するほか、敷設することで植林後の下刈りや、道路・河川敷の除草作業を大幅に減らすことができます。特に植林地では若木の間違った伐採を防ぐ効果もあります。
県内の自然環境について感じていることや、考えていることを教えてください
事業のこれからについて教えてください
環境事業の新商品で、近年の害獣被害を防ぐため、植物成分を活用した害獣忌避製品(杉皮防草忌避マット)の開発、常在菌や自然由来の忌避物質を利用し、植物の成長を抑制する製品の試験研究を進めており、いずれは販売に繋げていきたいと考えています。
御社は地域活動に取り組まれていますね



御社は秋田県のSDGsパートナーに登録されていますね
秋田県の環境大賞を受賞されました!
長年にわたるクリーンアップ活動や製材事業で発生し廃棄処分していた「杉皮」を杉皮防草マットの原材料として再利用し、廃棄物をゼロにした活動を評価していただき、秋田県環境大賞を受賞できた事を大変光栄に感じています。
今回の受賞は、事業活動を通じて環境保全に貢献してきた弊社の取り組みを更に加速させる大きな励みにもなるとともに、全社員の励みにもなりました。
県民へのメッセージをお願いします
秋田県の豊富な森林資源は貴重な財です。水源としてはもちろん、自然災害を防ぎ、豊かな恵みをもたらします。あなたの身近な森林に関心を寄せ、ふるさとの自然の素晴らしさを五感で体験していただきたいと思います。
先人が託してくれたこの森を、次の世代により良い形で引き継いでいくのが私たちの役目だと思います。
皆様と一緒に、身近な環境を守るために小さなことでも継続して取り組んでいきたいと思いますので、御協力をよろしくお願いします。